2009年11月13日金曜日

デザインは「4ゲン主義」現場・現物・現実・原寸

お札のサイズ

伊藤博文さんの1,000円札をいただいた。やけに長いのが気になって、ありったけの紙幣を出して、寸法を測ってみた。

先代 1,000円札の伊藤博文さんは 76mm×164mm
現代10,000円札の福沢諭吉さんは 76mm×160mm
5,000円札の樋口一葉さんは 76mm×156mm
1,000円札の野口英世さんは 76mm×150mm

伊藤博文さんは現代の福沢諭吉さんより4mmも長かったのだ。
幅は76mmで統一されている。自動販売機の関係か?

では、人は目で、何ミリの差を「あれ?」と見つけることが出来るか?
ある建築家いわく、2mで1mmの傾きは見つけられると言っていた。

工業デザイナーは、製品の現物なら、成型品の抜きテーパー1度(60mmで1mmの傾き)は判断できる。建築で1度は、2mで33mmのズレだもの。

ところが3Dの画面の中や平面スケッチでは見つけられない。

デザインは「3現主義」でコンセプトをを考え、プラス「原寸」立体モデルで使い勝手の良い美的造形を確認・検討。そして、寸法の間隔を磨く。「4ゲン主義」やね!

人間は比較・識別する能力に優れている。
日本人は日本人の顔を生まれたときから見ている、だから日本人を識別する能力に優れている(整形されていたら無理ですが)。欧米人の顔を識別するのは苦手だ。

当たり前ですが、人は原寸の世界で生活を営んでいる。

だから、原寸で比較することに優れている。原寸で検討することは、生活感覚そのままで、間違いが無い。

縮尺・拡大・平面や3D画面でデザイン検討をするのではなく、原寸モデルを作って検討して欲しい。

それに慣れていると、原寸での比較能力・間隔が身についてくる。
そしてなんとなく、寸法のミスを予見できるようになる。
1度の抜きテーパーがどれだけ形状に影響を与えるか!
1mmの紙幣の寸法差を感じるかも?

でも紙幣の幅は、なぜ76mmなのか・・・??

とりあえず福沢さん、樋口さん、野口さんと一緒に飲みに行って考えますか? 帰りは財布から皆さんとお別れ? それは寂しい。