1975年の春、当時の上司(39歳)が胃がんのため亡くなられた。スゴイショックだった。ここでは書ききれない。
そして忌明け後に、事務所にある上司の愛用の品の一部を、家族に断り部下で「かたみ」として、一品ずつ分けていただいた。
その時の品がこの「ハサミ」です。
SOLINGEN 「DOVO No.30」です。

紙はもちろんのこと、デザイン試作のためのいろいろな材料もこのはさみで切ってきた。ABS樹脂シート、塩ビシート、アルミ板・・・
いまだに現役です。私の机の上にあります。
その後、色々なハサミをいただくのですが、色・形のデザインばかり目立ちすぎて、使いにくい。
それで思い出した、50数年前に、松下幸之助氏が、全国デザイン会議で基調講演しておられる記事を読んだことを。
デザインの役立ちは、商品の「実用価値」+「デザイン価値」でんな!
「デザイン価値」が優先されたらあきまへん!
時代を作る偉い人はちゃいまんな!


このはさみは、指にしっくり来ます。ほとんどのものが気持ちよく切れます。持つ部分、刃の部分上手く表現できています。
実用価値を、より使い易くする処理(デザイン)がされている。
これをデザインした人は「職人」と言う職業の人か?
デザイナーと言う職業の人はガンバラナアキマヘンナ!
「ハイ、がんばります!」
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