安藤忠雄氏の建築の説明を元所員さんにお聞きしたとき「安藤は面一にこだわり、スイッチプレートや照明器具のサイズの、コンクリート壁を凹にし、壁と器具を面一に・・・」
デザインを進めていると、凹凸があるより、面一が美しいのに決まっている。だが、諸々の事情で面一に出来ていない。
【面一の例】
下の写真のように製品の裏面の「定格表示」の処理で「面一」を考えた。
それは、当時テーブルタップの文字表記がすべて凹文字になっていたのに感心したからだ。畳や床を傷つけない処理だ。
テーブルタップは定格表記の変更は無いが、家電製品は仕様が時々変わる。そのため定格表示部分の金型は「入子(とりかえられる)」になっている。

だから、全体に0.5ミリほど凹になっている(上の写真)。これを「面一」にするために知恵を出し、金型会社と折衝をした。金も手間もかからない方法で。

緑色が「入子」型。A、Bが本体の型。赤色が成型品(製品)。照明器具のリモコンでもその処理がしてある。(もう少し凹が深くても良い)

細かい、細かいデザイン処理であるが、一度覚えると、いろいろな場面で役立つ。デザイナーは、細かいところも改良しまひょな!